農地法第3条・4条・5条の規定について徹底解説します

こちらの記事では農地転用に係る法律、農地法第3条・4条・5条の規定について詳しく解説します。

農地法って何?

農地法(のうちほう)は、農地及び採草放牧地の取り扱いについて定めた法律です。
全部で69条と比較的短い法律です。

農地法の目的は第1条に、
「この法律は、国内の農業生産の基盤である農地が現在及び将来における国民のための限られた資源であり、かつ、地域における貴重な資源であることにかんがみ、耕作者自らによる農地の所有が果たしてきている重要な役割も踏まえつつ、農地を農地以外のものにすることを規制するとともに、農地を効率的に利用する耕作者による地域との調和に配慮した農地についての権利の取得を促進し、及び農地の利用関係を調整し、並びに農地の農業上の利用を確保するための措置を講ずることにより、耕作者の地位の安定と国内の農業生産の増大を図り、もって国民に対する食料の安定供給の確保に資することを目的とする。」
と定められています。

「農地を農地以外のものにすることを規制するとともに」とあるように、
農地の勝手な転用を防止するための規定を設け、優良農地の確保と土地の有効活用とのバランスを図ることがその主たる目的となっています。

農地法についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。よろしければご覧ください。農地法について全てわかりやすく解説します

農地転用に関わる、農地法第3条・4条・5条とは?

農地転用の制限に関する規定は第3条から早速始まります。
(因みに第2条は農地などの用語の説明などです。)
農地法はまさに農地転用を制限する法律だということがお分かりいただけるかと思います。
農地転用の制限は、第3条から第5条にかけて規定されています。

農地法第3条(抜粋)

「農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が農業委員会の許可(これらの権利を取得する者(政令で定める者を除く。)がその住所のある市町村の区域の外にある農地又は採草放牧地について権利を取得する場合その他政令で定める場合には、都道府県知事の許可)を受けなければならない。」

農地法第4条(抜粋)

「農地を農地以外のものにする者は、政令で定めるところにより、都道府県知事の許可(その者が同一の事業の目的に供するため四ヘクタールを超える農地を農地以外のものにする場合(農村地域工業等導入促進法(昭和四十六年法律第百十二号)その他の地域の開発又は整備に関する法律で、政令で定めるもの(以下「地域整備法」という。)の定めるところに従って農地を農地以外のものにする場合で、政令で定める要件に該当するものを除く。第五項において同じ。)には、農林水産大臣の許可)を受けなければならない。」

農地法第5条(抜粋)

「農地を農地以外のものにするため又は採草放牧地を採草放牧地以外のもの(農地を除く。次項及び第四項において同じ。)にするため、これらの土地について第三条第一項本文に掲げる権利を設定し、又は移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が都道府県知事の許可(これらの権利を取得する者が同一の事業の目的に供するため四ヘクタールを超える農地又はその農地と併せて採草放牧地について権利を取得する場合(地域整備法の定めるところに従ってこれらの権利を取得する場合で政令で定める要件に該当するものを除く。第四項において同じ。)には、農林水産大臣の許可)を受けなければならない。」

農地法第3条・4条・5条のそれぞれの違いについて

農地法第3条・4条・5条は上記の通りですが、それぞれ適用される場面が違います。

農地法第3条について

農地法第3条が適用される場面は、「農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合」と規定されています。
つまり、農地を農地のまま売却や賃貸する場合に適用される条項となります。
ですので、農地法第3条は正確には「転用」ではありませんが、農地が農地としてきちんと活用されるよう、許可を受けなければ売買などができないように定められています。
なお、農地法第3条における許可権者は、原則として農業委員会となります。
後述する農地法第4条、農地法第5条の許可権者は都道府県知事などですので、許可権者が違うのも大きな特徴の一つです。

農地法第3条についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

農地法第4条について

農地法第4条が適用される場面は、「農地を農地以外のものにする者は」とあるように、自身が所有する農地を農地以外の物にする場合、つまり「自身で農地転用」する場合です。
例えば、自身が居住する住宅を建築するため、自身が所有している農地を宅地に転用する場合に農地法第4条の許可が必要となります。
「自身の農地を、自身が使用するために、自身で転用する」というのが後述の農地法第5条との大きな違いです。
原則として、都道府県知事(農林水産大臣が指定する市町村の区域内にある農地を転用する場合には、指定市町村長)が許可権者となります。
なお、市街化区域内にある農地については農業委員会への事前に届出ることで許可が不要となります。

農地法第4条についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

農地法第5条について

農地法第5条が適用される場面は、「農地を農地以外のものにするため又は採草放牧地を採草放牧地以外のもの(農地を除く。次項及び第四項において同じ。)にするため、これらの土地について第三条第一項本文に掲げる権利を設定し、又は移転する場合」とあります。
少しわかりづらいですが、要約すると農地または採草放牧地を他人に売却や賃貸し、その買主や借主が農地を転用する場合です。
例えば、農地を買い受け、買主がその農地を宅地に変えて住宅を建築しようとする場合に、農地法第5条の許可が必要となります。
「自身の農地を、他人が使用するために、その他人で転用する」するというのが前述の農地法第4条との違いです。
農地法第4条と同様に原則として都道府県知事の許可が必要であり、また市街化区域内にある農地または採草放牧地については農業委員会への届出により許可が不要となる点も農地法第4条と同様です。

農地法第5条についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

農地法第3条・4条・5条が対象とする土地

農地法第3条・4条・5条にはもう一つ特徴的な違いがあります。
農地法第4条は「農地を農地以外のもの」となっているのに対し、農地法第3条が「農地又は採草放牧地について」、農地法第5条は「農地を農地以外のものにするため又は採草放牧地を採草放牧地以外のもの」となっています。
つまり、農地法第4条は「採草放牧地」をその対象としていないのも大きなポイントです。

 

農地転用申請のことなら、農地転用手続代行ワンストップサービスセンターまでご相談ください!

上記の通り、農地転用は農地法により厳しく制限されています。

万一無断で転用した場合は、原状回復命令や罰則を受ける可能性もあります。

農地転用をしたいけど、手続きが面倒でお困りの方は、ぜひ一度「農地転用手続代行ワンストップサービスセンター」へご相談ください!

千葉県・埼玉県・茨城県・東京都ならどこでも対応いたします!

お問合せはこちらからお気軽にどうぞ!
https://nochi-tenyo.com/contact/

無料相談受付中:0120-495-985

その他おススメ記事

農地転用に掛かる費用についてはこちらの記事で詳しく解説しています。よろしければご覧ください。

農地転用手続きにかかる費用は何があるのか?

農地転用を行政書士に依頼する際のポイントをこちらの記事で詳しく解説しています。よろしければご覧ください。

知らないと危ない!農地転用で行政書士を探す時の6つのポイント

関連記事