農地転用許可書を添付せずに地目変更登記ができる?

農地転用許可書とは

田や畑を農地以外の目的で使用する場合、原則として農地転用の許可が必要となります。
農地転用の申請は、各市町村の農業委員会を経由し、都道府県の審査を受けることになります。
審査の結果、農地転用が許可されますと、都道府県から農地転用許可書が発行されます。

農地の地目変更登記

農地転用の許可を受けますと、その土地は申請した目的に応じて使用することができますが、登記所の登記簿に記載されている土地の種別=地目は自動的には変更されず、登記所に地目変更登記を申請しなければなりません。
農地の地目変更登記については、農地転用許可を受けているかどうかを判断するために農地転用許可書(又は非農地証明書等、農地ではなくなったことがわかる資料)の添付が求められます。

農地転用許可書を添付せずに地目変更登記を申請すると

上記の通り、地目変更登記を申請する際には、農地転用許可書等を添付しなければならないのですが、昭36.8.24民甲1778民事局長通達によれば、

「地目変更の登記は、土地の物理的な利用状況を変更することにあるから、現況が農地以外の土地に変更されていれば、変更の原因を問わず、たとえ農地法に違反する転用であっても当該登記は受理せざる得ない。」

とされています。

つまり、農地転用許可を受けずとも他の目的に転用された土地の地目変更登記申請は、受理されるということです。

ただ、この文言通りに農地転用許可を受けず申請されたものを受理し、そのまま地目変更登記をしてしまっては、農地転用許可制度が全く無意味なものになりかねません。
そこで、農地転用許可を受けずに申請された地目変更登記は、以下のように取り扱われます。(昭和56年8月28日民三第5402号民事局長通達及び同日付け民三第5403号民事局第三課長依命通知)

農地転用許可を受けずに地目変更登記をした場合の取り扱い

① 農地の地目変更登記の申請があったときは、登記官は転用許可証明書などが添付されている場合を除き、農業委員会に対して、

1) 転用許可申請はなされているか?
2) 対象農地の現況はどうなっているか?
3) 対象農地に対し、原状回復命令が発せられる可能性はあるのか?
4) 対象農地に建築規制があるのか?

を文書で照会します。
そして、農業委員会から回答があるまで登記手続きを留保します。(最大2週間)

② 照会後、2週間以内に回答がない場合、また農地ではない旨の回答あった場合は、実地調査を行い、申請された地目であることを確認した上で、地目の変更を行います。
対象の農地に原状回復命令が発せれる見込みがあるとの回答があった場合には、原状回復命令が発せられるか又は発せられる見込みがなくなった旨の通知を受けるまで、登記手続きを再度留保します。(最大2週間)
なお、原状回復命令が発せられた場合は、地目登記申請は却下されます。

③ 対象農地に原状回復命令が発せられる見込みがある旨の回答があったものの、その後2週間以内に農業委員会等から通知がなかった場合は、実地調査を行い、申請された地目であることを確認した上で、地目の変更を行います。

上記の通り、農地転用許可書などを添付しないで地目変更登記を申請した場合、農業委員会へ照会し、農地でないこと又は農地への原状回復命令が発せられない場合は、実際に利用状況が申請された地目と合致していることを確認した上で、地目変更登記がなされることになります。

まずは農業委員会へ相談してみましょう

本来、農地転用許可を受けずに他の利用目的に変更することは違法です。
上記の方法であれば、申請が受理され地目変更ができる可能性はありますが、安易に登記申請すべきではありません。まして、この制度を悪用して地目変更をすることはもっての外です。
もし、農地転用許可について詳しく、悪意なく転用してしまったのであれば、まずは農地転用許可申請をして許可を取る方向で考えてみましょう。
事後申請とはなってしまいますが、農地転用の要件を満たすものであれば、農地許可を受けられる可能性はあります。また、条件によっては農地転用許可が難しくても、非農地証明書の発行が受けられる場合もあります。
いずれにせよ、対象農地を管轄する農業委員会へ一度相談してみることをお勧めします。
もちろん無断転用が発覚し、原状回復命令が発せられる可能性や罰金命令を受ける可能性は否定できませんが、何が何でも農地へ戻そう、罰金を取ってやろうとは考えてはいません。
また、農地転用許可や非農地証明の可能性はもちろんのこと、今回ご紹介した方法で申請することになった場合でも、一度話をしておけば協力的に対応してくれる可能性もあり得ます。

 

農地の地目変更は「農地転用手続代行ワンストップサービスセンター」へご相談ください

農地転用手続代行ワンストップサービスセンターでは、農地転用のスペシャリストである行政書士、また、土地地目変更登記のスペシャリストである土地家屋調査士が皆様からのご相談を承っております。

農地の地目変更は、行政書士にはすることができません、また、農地に関して農業委員会へ相談することは、土地家屋調査士には認められていません。
つまり、片方の資格だけしかもっていない事務所に依頼すると、他方の手続きについて別の事務所へ依頼しなければならなくなります。話を2か所へするだけでも面倒なうえ、今回ご紹介した方法のような複雑な話であれば、別々に相談することによってさらに話が複雑化してしまう可能性もあります。
農地に関するスペシャリストである農地転用手続代行ワンストップサービスセンターであれば、上記のようなことについて心配いただくことはありません。

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