生産緑地制度とは?

生産緑地とは?

生産緑地とは「良好な都市環境を確保するため、農林漁業との調整を図りつつ、都市部に残存する農地の計画的な保全を図る」ことを目的として設けられた制度です。
市街化区域内にある農地で、「生産緑地法」に規定された要件を満たす農地については、都市計画において生産緑地地区と定めることができるとされています。
そして生産緑地地区内にある土地又は森林を生産緑地といいます。
つまり、都市部にある農地を保護し、農地として活用するための制度ということです。
生産緑地地区にある農地は、農地以外の用途で利用することがでません。
その代わりに固定資産税などにおいて優遇措置を受けることができます。

生産緑地地区の要件

以下の要件満たす区域が、生産緑地地区として定められます。

  1. 公害又は災害の防止、農林漁業と調和した都市環境の保全等良好な生活環境の確保に相当の効用があり、かつ、公共施設等の敷地の用に供する土地として適しているものであること。
  2. 500平方メートル以上の規模の区域であること。
  3. 用排水その他の状況を勘案して農林漁業の継続が可能な条件を備えていると認められるものであること。

生産緑地の制限

生産緑地に指定されると、「農地」として管理しなければならず、他の目的で使用することはできません。

生産緑地の優遇制度

生産緑地として指定を受ければ、税制上の優遇を受けられます。

  • 固定資産税

農地として課税されるため、宅地課税に比べるとはるかに少なくなります。

  • 相続税

生産緑地は、その土地が生産緑地でないものとして評価した価額から、控除割合(5~35%程度)によって計算した額を減額した金額で評価します。
また、相続猶予制度が利用でき、評価額のほとんどが猶予され、相続人が生涯農業を営む場合は猶予金額が免除となります。

生産緑地の買取り申出制度

生産緑地は税金の優遇を受けられる代わりに、一度定められると永久に生産緑地以外にできません。
但し、以下の要件に合致した場合にのみ、市町村長に対象の農地の買取りを申し出ることができます。

    1. 生産緑地地区に関する都市計画の規定による告示の日から起算して30年経過したとき
    2. 生産緑地に係る農林漁業の主たる従事者が死亡したとき、または国土交通省令に規定される状態になり農業に従事することができなくなったとき。

買取り申出をされた後、市町村長は買取りの検討をします。
検討の結果、市町村等が買取らない場合には、農業者に農地としての売買のあっせんを行います。あっせんが一定期間内に成立せず、かつ、申出から3ヶ月の間、所有権の移転が行われなかった場合には生産緑地地区としての土地利用の制限が解除されます。
制限が解除された農地は他の目的に転用することが可能となります。

生産緑地の2022問題

生産緑地の多くは1992年の改正生産緑地法により生産緑地に指定されました。
生産緑地は30年経過しますと、税の優遇措置を受けることができなくなります。
2022年は1992年から30年を経過する年にあたり、多くの生産緑地が税制優遇を受けることができなくなります。
上述の通り、30年経過した生産緑地については市町村に対し買取りを請求できますが、買取りは義務ではないため、ほとんどの農地は買取されず、その指定を解除されることになるのではないかといわれています。
つまり、多くの生産緑地が税制上の優遇を受けられなくなり、宅地などとして放出され、土地の価格が下落することなどが懸念されています。
これが生産緑地の2022年問題です。

生産緑地法の改正

生産緑地の多くが指定から30年経過することを踏まえ、平成29年に生産緑地法が改正されました。
主な改正点は「特定生産緑地制度の創設」、「条件等の緩和」です。

特定生産緑地制度

指定から30年経過後もこれまでと同様に税制上の優遇を受けられるように、特定生産緑地制度が創設されました。
その主な内容は、

      • 生産緑地の所有者等の意向を基に、市町村長は告示から30年経過するまでに、生産緑地を特定生産緑地として指定することができる。
      • 指定された場合、買取りの申出ができる時期が、「生産緑地地区の都市計画の告示日から30年経過後」から10年延期される。
      • 10年経過する前であれば、改めて所有者等の同意を得て、繰り返し10年の延長が可能。
      • 特定生産緑地の税制については、従来の生産緑地に措置されてきた税制が継続して適用される。
        となります。

特定生産緑地に指定されない場合は、買取りの申出をせず、そのまま農業を続けても、従来の税制措置が受けられなくなります。

条件等の緩和

        • 指定条件

これまでは500㎡以上の土地であることが条件でしたが、市町村の条例により300㎡以上に緩和することができることになりました。

        • 利用制限の緩和

農地を利用しやすくするため、生産緑地内に農産物直売所や農家レストランを開設できるようになりました。

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