農地に勝手に太陽光パネルを設置するのは違法?

農地に勝手に太陽光パネルを設置するのは違法?

例えば相続で農地を手に入れたものの、自分は他の仕事をしており、農業を行うことができないなど、農地を所有しているにもかかわらず、実際には耕作をしていないため、農地を農地以外の方法で有効活用したいとお考えになる方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

そんな有効活用の一つに「太陽光パネル」の設置があります。
では、耕作していない農地であれば自由に太陽光パネルを設置することは可能なのでしょうか?
答えは「NO」です。

農地法では、実際に農地として利用されていない農地であっても、登記上の地目が農地であるならば、都道府県知事などの許可を得ることなく他の目的に転用することを規制していています。

農地法について詳しくはこちらの記事で詳しく解説しています。

農地法について全てわかりやすく解説します

ですので、耕作していない農地に太陽光パネルを設置したい場合は、都道府県知事の許可を受け、雑種地等へ地目を変更してからでなければ、太陽光パネルを設置できません。

もし、許可なく無断で駐車場にしてしまうと、原状回復命令などの処分が下されることがあり、また場合によっては、3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処される可能性もあります。

農地に太陽光パネルを設置したい場合、どんな許可が必要か?

では、太陽光パネルを設置したいときはどのような手続きをするのでしょうか?
農地転用の許可は農地の場所や使用者により異なります。

【市街化区域にある農地】

自分の農地に太陽光パネルを設置する場合
…農地法第4条届出

農地を売却し、譲り受けた人が太陽光パネルを設置する場合
…農地法第5条届出

農地を駐車場に転用する場合は農地法第4条許可又は第5条許可が必要となりますが、対象の農地が市街化区域内になる場合、事前に農業委員会へ届け出ることにより許可が不要となります。

【市街化区域外の場合】

自分の農地に太陽光パネルを設置する場合
…農地法第4条許可

農地を売却し、譲り受けた人が太陽光パネルを設置する場合
…農地法第5条許可

市街化区域外の農地は原則通り許可が必要となります。

 

農地法第4条と5条についてこちらの記事で詳しく解説しています。よろしければご覧ください。

農地法第4条について徹底解説します

農地法第5条について徹底解説します

太陽光パネルを設置するため転用ができる農地と転用ができない農地

農地の種類により太陽光パネルを設置するための転用ができる農地とできない農地があります。

【優良農地】

農用地区域内にある農地、第1種農地、甲種農地における太陽光発電設備設置を目的とした転用は原則許可されません。

【第2種農地、第3種農地】

第2種農地の立地基準や一般基準を満たしている場合には、許可となります。

上記は恒久的に太陽光パネルを設置する場合の基準となります。
営農型太陽光発電については、一時転用扱いとなり、取り扱いが異なります。

農地を太陽光パネル設置のために転用するための手順

農地の駐車場に転用するための手順は、おおよそ以下の通りとなります。

農地の確認

まず初めに、対象の農地がある市区町村の農業委員会事務局に出向き、対象の農地の種別を確認します。
対象農地の地図や登記情報などを持参するとスムーズです。
対象の農地が太陽光パネル設置のために転用が可能なようであれば、必要書類も教えてもらいましょう。

申請書類の確認や準備

農業委員会で確認した書類の確認や準備をします。
自身で作成する申請書や法務局で取得する公図など様々ですので、どこで、だれから取得するのか調べておく必要があります。
太陽光パネル設置のための転用の場合、事業経歴書や土地利用計画図などの書類がプラスとなりますので、注意が必要です。
また、分筆を伴う場合は分筆が完了してからではないと申請できません。登記がいつごろ完了するのか土地家屋調査士に十分確認しておきましょう。
書類がそろったところで一度農業委員会事務局に確認してもらうとより安心です。

申請書類の提出

すべての書類が整え、農業委員会事務局へ提出し申請します。
不備があると許可が遅れる場合があります。入念に確認しておきましょう。
また、申請日は毎月決められています。事前に確認し、期日を逃さぬよう注意しましょう。

審査

申請書類が無事受理されると農業委員の審査が始まります。
書類審査と現地調査があります。
審査は5週間から7週間要します。

許可

審査の結果、基準をクリアーしていると判断されたら、許可されます。
晴れて農地を太陽光パネル設置のために転用することができます。
なお、もし、許可前に工事などを着工してしまうと許可されないばかりでなく、原状回復命令を受けたりや罰金を支払うことになりかねません。
必ず許可を受けてから転用を進めましょう。

農地を太陽光パネル設置のために転用するための注意点

農地を太陽光パネル設置のために転用する場合は、以下の点に注意しましょう。

      • すべての農地が転用許可となるわけではありません。

必ず事前に確認しましょう。

      • 太陽光パネル設置のために転用は農地転用許可以外に開発行為の許可などが必要となる場合があります。

関係機関へ十分に確認しましょう。

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