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遊休農地とは
かつて耕作が行われていた農地が所有者の高齢化などによって、耕作されなくなった農地が数多く存在します。
農地法ではこのような農地を「遊休農地」と定めています。
具体的には、
- 現に耕作の目的に供されておらず、かつ、引き続き耕作の目的に供されないと見込まれる農地
- その農業上の利用の程度がその周辺の地域における農地の利用の程度に比し著しく劣っていると認められる農地(①農地以外)
と定義されています。
つまり、今も、そして将来的にも農地として使用しないと思われる土地、また家庭菜園程度の耕作しか行っていない農地を指しています。
遊休農地と耕作放棄地との違いとは?
遊休農地と同じような言葉で「耕作放棄地」というものがあります。
耕作放棄地とは「農林業センサスにおいて、「以前耕作していた土地で、過去1年以上作物を作付け(栽培)せず、この数年の間に再び作付け(栽培)する考えのない土地」とされ、農家等の意思に基づき調査把握したもの」とされています。
遊休農地と似たような内容ですが、遊休農地は農地法が定めた定義(言葉)であるのに対し、耕作放棄地は意識調査(統計)で使われる言葉であるのが大きな違いです。
いずれにせよ、農地が農地として活用されず、そのまま放置されてしまうのは、大きな問題であることは間違いありません。
遊休農地を活用する方法
では、遊休農地を有効に活用するにはどうすればよいのでしょか?
既存農家や就農希望者に貸し出す又は売却する。
既存の農家さんや新たに農業に就きたい人に農地のまま貸し出す又は農地のまま売却するという方法です。農地のまま有効活用できますので、非常に良好な活用方法といえるかと思います。
ただし、農地を貸与又は譲渡するには、農地法の第3条の許可を受けなければなりません。許可がない貸与、譲渡は効力を生じません。
農地を借りる又は買い受ける側が、以下の要件をすべて満たす場合には、農地法第3条の許可の対象となります。
【農地を取得するための要件】
- 農地のすべてを効率的に利用すること
- 必要な農作業に常時従事すること
- 一定の面積を経営すること
- 周辺の農地利用に支障を与えない利用方法であること
農地転用し他の用途で活用する
遊休農地を農地転用して、アパートや駐車場など他の用途で活用する方法もあります。
農地転用するには農地法第4条又は農地法第5条許可を取得する必要があります。
農地法第4条許可は自身で活用する場合、農地法第5条許可は所有者以外の人が譲渡又は貸与を受けて活用する場合に必要です。
農地転用による活用を考えたら、まずは農地転用できる農地なのかを確認する必要があります。
原則不許可となる農地
【農用地区域内農地】
市町村が定める農業振興地域整備計画において農用地区域とされた区域内の農地です。
略して「農振農用地」や「青地」と呼ばれています。
農業地区域内の農地は今後10年以上にわたって農地として利用するものと定められていますので、農地以外に利用をすることを厳しく制限されています。
【甲種農地】
市街化調整区域内にある農地のうち、土地改良事業などの対象となった農地など、特に良好な営農条件を備えている農地です。
甲種農地に指定されている農地ですと、仮に市街化が進んだ地域にある農地(第2種農地や第3種農地)であっても農地転用は厳しく制限されています。
【第1種農地】
農用地区域内にある農地以外の農地であって、集団的に存在し良好な営農条件を備えている農地です。
甲種農地よりは若干制限が緩和されていますが、それでも厳しく制限されています。
農地転用できる農地
【市街化区域内にある農地】
市街化区域内にある農地は転用を許可されます。
但し、「事前に届出」をすることが必要です。
(届出をすれば、改めて許可申請をする必要はありません。)
【第2種農地/第3種農地】
農用地区域外の農地であって、市街地の区域または市街地化の著しい区域にある農地です。
いずれも許可となる農地ではありますが、第2種農地は近隣に転用の目的を達成することができる土地がないと判断された場合にのみ許可されます。
第3種農地には原則として許可となる農地です。
農地転用をするには、農地が所在するの市町村の農業委員会から許可を受けなければなりません。
許可を得ないで無断で転用した場合は、農地法違反となって転用の効力が生じず、工事の中止や原状回復義務が課されることがあります。また、罰金や懲役刑を課される場合もあります。
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